日本映画の遺伝子

元洋画オタクが改心 古い日本映画の劇場観賞にこだわり日々発掘中 忘れ去られゆく作品(遺伝子)を「記憶」します 「何それ?知らない〜」みたいな1本のなかに人生のアイデア詰まってます! どうぞご一緒に♡ 読んだだけで観た気になれる 完全ネタバレ仕様 ご容赦ください  *旧 「発掘! 日本映画」サイトより移設

観なくても生きていける でも観ればあなたの何かが変わる

観賞中、なんでおれはこんなの観てるんだろう?という思いが去来して、何とかカラーだし、時代の景色や衣装、島耕二 (1901-1986) 監督   といえば、大映初の総天然色SF映画 138「宇宙人東京に現る(1956)」  での中身は置いといて(笑)劇中の現代長屋、町並みセットの素 ...

酷い映画でした。観ているさなかに本当に、劇場から逃げ出したくなるくらい。先にレビューした 285「その男、凶暴につき (1989)」監督 北野武 が「痛く」て「リアル」で「傑作」だと絶賛しましたが、それを言うならこの「凶悪」は大傑作です。3倍くらい。皮肉で言っている ...

傑作です。衝撃的でした。当時、松竹映画から彗星のごとく現れたプロデューサー・奥山和由 (1954-)  日本映画史的にも特異な活動でヒット作を飛ばすなかでの1本だったので、世間の注目・話題もかなりあった記憶。そして何より、もの凄い映画、つまり今までにない映画を人 ...

さわやかなポスター♡しかし実際はとんでもない(笑)。何と言っても時代劇・チャンバラ映画の名手・三隅研次 (1921-1975)  が、未見ですが名作の誉れ高い「斬る (1962)」に続き、社会派〜サスペンス、人間の業を描けば敵うものなし百歳監督・新藤兼人 (1912-2012) の脚本 ...

良かった〜冒頭のナレーション「大阪と京都の間の淀川のほとりにある、菊人形で有名な大阪府・枚方(ひらかた)市・・・」この地はぼくの母校があるところ。高校三年間通った大阪でも京都でもない中途半端な場所。映し出される風景は山、畑、そしてボロボロの木造住宅、そし ...

日本の芸能界・エンタメ業界において絶大な人気と影響力を持つ ジャニーズ事務所 その筆頭的存在だったグループ  SMAP が分裂、のちに解散となる騒動。これを書いているぼくはテレビを、特にワイドショーやバラエティ番組を見ないことにしているので(スポーツ新聞・芸 ...

正確にこの時代、1955 (昭和30)年(「二十四の瞳」で名高い 壷井栄 (1899-1967) による原作小説の出版は 1949(昭和24)年発表)の、製作期間から考えると戦後10年に満たない日本の状況は分かりません。精一杯想像するしかなく、今までこのレビューで触れてきたように「 ...

山本周五郎 (1903-1967)  モノ。と言えば、真っ先に語りたくなるのは、黒澤明 145「赤ひげ (1965)」そして  野村芳太郎 136「五瓣(べん)の椿 (1964)」さらに 岡本喜八  182「侍 (1965)」いずれも心えぐられる傑作。ほかにも名作ぞろぞろ未見なんですが、上の3本だけ ...

東京のどまんなかにある 霞ヶ関ビルディング が、どうやって建ったのか?という映画です。どうでもいい?ま、そう言わずに。で、ドキュメンタリー?ちがいます。劇映画です。霞ヶ関ビルディング オープン一年後に製作・公開されたこの映画は、ずばり施行した鹿島建設、大 ...

泣ける映画とゆうことを思い出していたら、これ。当サイト1番の最近作になりました。これも 276「フラガール (2006)」監督 李相日 の稿で書いたように、それを語ればきっと、「おいおい、ベタやなあ〜分かりやすい」とか言われそうなんですが、いやはやほんと良くできた映 ...

前稿で「泣ける」映画なんてほとんどないとか言っておきながら、思い出しましたこれ。こりゃ凄い。ただしラストでね、嗚咽・号泣しました。角田光代 (1967-)  さんの原作は読破してました。それが緻密に映像化されていて、これは何より脚本・奥寺佐渡子 (1966-) によると ...

公開当時、満席の劇場でひとりやられました。ある程度の話題を受けてから観にいったのですが、そんじょそこらの内容なら泣くわけが無いとタカをくくってましたが、撃沈でした。今思えば、ベタだと思うんです。 松雪泰子 (1972-)  演じるフラの先生を見送る駅のシーンなんか ...

傑作です。かねてから観賞したいと願ってた 監督・鈴木清順 (1923-2017)  代表作のひとつ。ところどころ可笑しいです。死んだはずと思ってたのに生きてたり、瀕死の重症負ってて次のシーンでつるつるだったり、ヒロイン・松原智恵子 (1945-)  は前半拉致されたはずなのに ...

美空ひばり(1937-1989)  当時12歳、すでに天才少女歌手として話題になっているなか、同名曲の大ヒット(45万枚!)を受け、この映画で初主演。以後の活躍は言うに及ばず、でもご存じない方も増えてきていると思います。 ↑ (人名クリックで Wikipediaへ)壮 ...

久々のチャンバラ時代劇。しかも初の2010年代映画レビューとなります。平山秀幸 (1950-)  監督作品は今まで数本しか観てないのですが、とても緻密な画作り、繊細な人物表現という印象があります。だからこの映画も斬った貼ったがメインではなく、なぜ斬り合わなければな ...

1984(昭和59)年11月の公開。85年お正月を挟んで、ぼくは成人式のあとに中学生のときに好きだった女性と、大阪梅田の劇場で見ました。お互い晴れ着姿で(恥ずっ!)いやはやとんでもないことを思い出しました汗が出ます。成人式のあとに「お葬式」(笑)。この映 ...

シュールなブラックコメディ当時18歳くらいのぼくが「シュール」なんて言葉の意味をうまく理解できていたかどうかはともかく、これを書くにあたり You tube の予告編を見てうなりました。この時代にそれまでになかった映画だったんだなと。大手映画会社が君臨する日本映画 ...

観たことさえ忘れてましたが・・・。約3年前にこのサイトを作って、古い日本映画ばかり観て書いてきましたが、最近そう言えばおれ観てたよね?と記憶の掘り起こしやってます。当時8歳でした。259 「ノストラダムスの大予言 (1974)」監督 舛田利雄 と近い時期の公開だっ ...

ぼくが、高校2年生ころの作品。(製作・撮影時はぼく高校1年生)オーディション受けて落ちた記憶(笑)。そのかっこわるい話の前に、先ず時代背景を思い出してみる(一応 Wikiなどを読んでざっと書くので、細かな部分は不確かかもしれません)。1976年に突如現れた ...

号泣の記憶。267 「ヒポクラテスたち」監督 大森一樹 を観た同じ年の公開。どちらを先に観たのかは憶えていませんが、かたや青春の悶々に心抉られ、こちらは「沖縄」その差別と歴史と戦争をモチーフにした物語で、ほんとにほんとに号泣してしまいました。確か無料のチケ ...

高校一年生で観ました。描かれているのは、監督・大森一樹 (1952-)  の実体験に基づく医学生の青春の悶々。古尾谷雅人 (1957-2003)  たちは医者の卵であり、学生であり、命を預かる・助ける医者の道に進むための日々のなか、若さゆえの悩み、葛藤します。高校一年生の ...

正月3日に観る映画ではないです(笑)。この日仕事が休みで、もう1本、未見だったある巨匠監督の大作を観るか?それともこれにするか? 相当〜悩んだ末、コイントスで決めました。若干後悔、でもめちゃくちゃエネルギッシュな1本でした感謝。同じ監督、同年公開の 25 ...

面白かった。今から63年前の正月映画を、令和2年のお正月に観る不思議。サザエさんと言えば、今なお不動の定番アニメ(1969年放映開始)で、永遠に歳をとらない家族の物語。長谷川町子 (1920-1992)  さんの原作漫画は戦後すぐ、1941(昭和21) 年からはじまったそ ...

公開当時、観たときの興奮がまだ残ってます。しばらく思い出レビュー続けてますが、書くにあたって現在のネットの力を借りて他人のレビューや批評を読んだりしてるのですが、この映画に関しては、おおむね批判的なものが多い(涙)。実際映画がどうだったのか?を語る前に、 ...

大外れ(笑)。なんて言っちゃうと元も子もない。昭和32年に観れば、かなり楽しめたと思います。家にテレビがある家庭も全然多くないころ、映画館でしかもこれはカラーで、歌い踊る当時の大人気歌手3人が躍動するわけですから。左:雪村いづみ (1937- ) 中:美空ひば ...

思い出メインになります。 公開当時ぼくは中学一年生。軟式野球部所属で日曜日は練習試合で休めません。野球部監督は浪商(現:大阪体育大学浪商)高校で主将を務めたことがあるという鬼。苛烈な練習、ケツバットで臀部ミミズ腫れは当たり前な日々。それがある日曜日、雨 ...

思い出レビュー続けます。 高校1〜3年生。当時大阪梅田の喫茶店でアルバイトしていたぼくは、帰り道で必ず本屋に立ち寄り、そこがビジネス街でもあったので割とおじさんターゲットの新刊書が多くあって、何か背伸びした気分で本を選んだり立ち読みしたり。今でもはっき ...

思い出の1本です。ぼくは大阪で生まれ育ち26歳までおりました。なので地元愛は(特に大阪人の多くがそうであるように)強くあって。たとえばテレビの時代劇とかで(それが京都の撮影所製作でも)出てくる悪人が大阪弁を喋ってるだけで、それが東京中心の眼線というか、 ...

昭和18年の次は、昭和49年で。ここでたまには「記憶の観賞」を掘り下げてみても良いかなと思い立ち。確かに劇場で観た。でもほとんど憶えてない、でも面白かったよという日本映画をレビューしていこうと考えたのです。ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月人 ...

当サイト最古作品だった 110「人情紙風船 (1937 昭和12年) 監督 山中貞雄 に次ぐ昭和18年、戦中(まだ戦気高揚していたころか?)の作品。 「歌行燈 (1943の映画)」 Wiki  をみたのですが、戦争で国家総動員法発令後、映画界も規制が厳しくなりその題材を古典、文芸、 ...

面白くて疲れた笑。とにかく、昭和44年の活動屋の熱気が、みなぎってます。石井輝男 (1924-2005) 監督はこのときすでに「網走番外地」シリーズ で高倉健をスターダムにのし上げ(それまでのちゃらい健さんから任侠寡黙な健さんへの脱皮)大ヒットを飛ばし、やがてその ...

大好きな 川島雄三 (1918-1963) 監督作品で、ファンのあいだでは評価の高い喜劇。期待しすぎたのか? 開始10分、ぼくは乗れず。途中軽く寝落ち。このレビューも書かずに「もう一度観てからにしよう」と寝かせてましたが(一度再見のチャンスあったのですが見逃して) ...

立て続けにナルセ。これも前回と同じく「異色作」と評価される1本だそうですが、今回はガッツリ大人。なぜに「異色作」なのかは、殺人がテーマであったり、海外ミステリー原作であったりするところか。つまり、それだけ成瀬監督作品は、そのような仕掛けがなかったにも関 ...

ここ最近、レビューをアップするスピードが上がり(今だけかもしれませんが笑)鑑賞作品のストックがかなり減ってきたので、しばらく同じ監督作品が増えると思います。監督の特集上映が多くなると、それもまた致し方ないとゆうことで。観た晩にこれを書きはじめています。 ...

やっと観れた。スクリーンで。ぼくは1965年生まれなので、1964年の東京オリンピックは知りません。一応ギリギリ母のお腹の中にいたみたいなのですが、でも何も見てません。当時の熱狂、知りません。だから知りたかった、観たかった。今まで何度か観賞するチャンス ...

成瀬巳喜男監督作品が続いたところで、その特集上映が続く神田・神保町シアターとは別の、杉並・ラピュタ阿佐ヶ谷では 石井輝男 (1924-2005)  監督作品を特集上映してました。で、この石井監督は、成瀬巳喜男の助監督だったこともあり、成瀬を師と仰いでいたというはな ...

成瀬巳喜男 (1905-1969) 監督作品3連続で、250本の節目をまたぎます。250本観てきて感じるのは、見た瞬間に「すごい!何これ!?」とガツンとくるのと、あとになってじわじわと、そして同じ監督の別の作品に触れるうちに、その文体というか監督の味に慣れて来て、 ...

250本を迎えたところで、ちょうど4分の1、アメフトで言う1st クオーター終了!ベストを選んでみようと考えました。選ぶのはベスト10? それとも20? いえいえ、ベスト25本でいきましょう。 なのでいつの日か1000本斬りを達成した暁には、25×4=ベ ...

ついに来ました250本!いつしか1000本斬りが目標に、秘かになってしまったことを考えるとちょうど4分の1。Livedoorブログではないサイトで「発掘!日本映画」として始めたときがいつだったのか?はっきり憶えてないのですが、「日本映画の遺伝子」として繋ぎ、 ...

何年か前のキネマ旬報による日本映画ベスト100で、1位はやはり小津安二郎の「東京物語」、2位は黒澤明の「七人の侍」、そして3位がこの「浮雲」だったそうです。名匠と言われた 成瀬巳喜男 (1905-1969)   監督のこと、作品のことも何も知らないぼくなので恥ずかし ...

面白い!観終わった後、幸せな気分になれる1本。昭和37年の東京・浅草橋、蔵前あたりと京都・南禅寺などの風景がカラーで。「花嫁」シリーズというのがあったらしい。そしてそのシリーズで中心的に監督した 番匠義彰(ばんしょう・よしあき 1922-1992) の手慣れた演 ...

面白かった。昭和40年生まれのぼくとしては、石原裕次郎を「裕ちゃん」と呼び熱狂した大人たちの気持ちがよく分からず、石原裕次郎と言えば TV「太陽にほえろ」とか TV「西武警察」とかでボスみたいな、貫禄あるというより肥満体型で、確かにギリギリ恰好よいと言えばそ ...

頂戴がちょうだいでもちょーだいでもない漢字が昭和ぽい。うん、ネタは最初っから割れてるし、どーでもいいような展開なんだけど、面白かった!まあ個人的に 桑野みゆき (1942-)  さんの大ファン(にわか)なのでそれだけが目当て。いやでもカラーだし、ほんとしつこいく ...

この前年、同じ監督のコメディ 031 集金旅行 (1958) のヒットを受けての、似た感じのロードムービー。それとの違いは「集金旅行」は文豪・井伏鱒二の原作に対して(どこまで原作に依ったか知りませんが)今回はオリジナルシナリオ。書いたのは「集金旅行」の脚色もした椎名 ...

大好きな 左幸子 (1930-2001)  さんの何とこれがデビュー作。当時22歳ですが18歳の女学校生をすばらしく演じております。タイトルバック、コスモスみたいな花が延々と映り、そこに「若き日のあやまち」どーんとくれば、まるで文部省推薦みたいな香り。そう、真意のほど ...

昭和37年の東京。ぼくが古い日本映画にはまった理由のひとつが、自分が産まれる前の街、人、言葉、ファッションなど、同じ日本なのに異国に感じてしまう風景に魅入られてしまったことがあります。ボロ家のような長屋に家族がひしめきあい、その中で最新のおしゃれに気を配 ...

大映マークのあとにタイトル、「ごめん遊ばせ花婿先生」そこに明朗快活な婦人コーラスで♪ごめんあそばせ〜はなむこせんせ〜という謎なテーマ曲が合唱されて。わかった。なんかすでにネタバレ気分。ファーストカットは、駅に到着する蒸気機関車。降り立った新任教師役の  ...

小沢昭一を挟んで市川雷蔵に戻ります。原作は 三島由紀夫 (1925-1970) の短編小説。そしてその小説に感銘を受けた、雷蔵みずから映画化を企画したと言われています。なので、映画公開からおよそ6年8ヶ月後、1970年11月25日に「自決」した三島の生き様、美意識、 ...

「えちご(地方)つついし・おやしらず(映画の舞台になる地名)」凄い面白かった。今井正 (1912-1991) 監督作品は、ここでは第二次世界大戦における沖縄戦を最初に映画にした傑作、157「ひめゆりの塔 (1953)」 と、300年あまりに渡るある男(その家系)の変節を強烈に描 ...

予告編市川雷蔵主演作品をつづけます。わずか37歳という若さで癌で亡くなったこと、それまで怒濤の(15年間で160本)出演などに関しては、065「眠狂四郎 無頼剣 (1966)監督 三隅研次 の稿で触れてますので、未読の方は是非。 ↑ ここでも書きましたが、「(本業 ...

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