日本映画の遺伝子

元洋画オタクが改心 古い日本映画の劇場観賞にこだわり日々発掘中 忘れ去られゆく作品(遺伝子)を「記憶」します 「何それ?知らない〜」みたいな1本のなかに人生のアイデア詰まってます! どうぞご一緒に♡ 読んだだけで観た気になれる 完全ネタバレ仕様 ご容赦ください  *旧 「発掘! 日本映画」サイトより移設

観なくても生きていける でも観ればあなたの何かが変わる

「ゴジラ」第一作。実は未見でした恥ずかしながら。映画に夢中になった中学生時代から「映画は劇場・スクリーンで」という感覚があり、テレビやビデオで見る機会をあえて拒否していたこともあったので。だから2016年に「シン・ゴジラ」を観たのちに、この「ゴジラ」オリ ...

立松和平 さん(純朴で温厚そうなテレビリポーターとしての記憶)の原作映画。↑ Wikiで調べてみたら結構色々やらかしてる過去面白く。立松和平さん それはさておき、映画の舞台は立松さんの故郷でもあり、小説家として作品を発表したのちも、数年間市役所に勤めていたと ...

昭和の喜劇人・ 益田喜頓(ますだ・きいとん) 当時51歳のシリアス芝居、人気シリーズの一本。51歳て。60代にしか見えない。昔の人は今の年齢基準と照らし合わせると、およそ10歳以上老けているように感じるのは私だけではないと思う。キートンの笑智大学―笑いの ...

任侠映画の傑作 「博奕打ち 総長賭博 (1968)」監督 山下耕作 に遡ること約3年。任侠映画ファンの間では双肩を成す一本と言われています。ストーリーほか作品情報: wikipedia とにかく鶴田浩二。その男気が映えるには悪役・大木実と阿部徹の憎々しい存在感があり、華と艶 ...

 シネマヴェーラ渋谷 がまたまたやってくれました「新東宝映画シリーズ」第二弾。と言っても第一弾をほぼ見逃していたので。おバカでシュールでアバンギャルドでエロで(だけではないのですが)、低予算で量産する使命感に満ちた作品群。現在までこのサイトで紹介した「新 ...

面白い。超大スターとか、殺戮とかっていう派手さがタイトル見てもない感じ、だって奉行所相手やし。だから拾い物って感じで良かった。この頃量産されていた、東映の「集団抗争時代劇」と呼ばれるジャンルの最後の作品らしい。監督はのちのテレビ「必殺シリーズ」でも有名な ...

昭和43年という時代。そしてそこまで生きてこられた先輩たちの、日本に対する思い。特に戦後20年が過ぎてもなお、戦争が人生に落とした意味というものを、大人たちはしっかりと受け止め自問自答していたに違いない。朝鮮戦争がありベトナム戦争が進行し、ソ連とアメリカ ...

大傑作。こんな素晴らしい映画があったなんて。ビスタサイズの四角いスクリーンに映し出される昭和31年の東京。売春禁止法でやがて消える赤線地帯、その名も(実際にあった)「洲崎(すさき)パラダイス」その出入り口の小さな酒場に集う男女。ストーリー(日活サイト)  ...

胸を張って言わせていただきたい。くだらない。こんなクズみたいな映画。仲間うちだけで楽しんで、たぶん赤塚先生は一度やってみたかった濡れ場(男どもの夢)を、前貼り付けて実現(実体験)したかっただけみたいな。だからストーリーなんてどうでもよくて。観ていて気分が ...

183分。個人的に若干ダレたところあったけど、ほぼ完璧。緊張感はらんでぐいぐい引っ張るストーリーお見事。当然、水上勉原作・内田吐夢監督によるところ多いと思いますが、主演の三國連太郎・左幸子、執念で追い詰めるコメディアンの(コメディを捨てて体当たり演技の) ...

タイトルだけ見ると 「誘拐」 → 「絞死刑」 → 「殺人容疑者」 ときてこの「処刑の島」なんときな臭い。で中身は・・・う〜ん、しんどい。原作があって、石原慎太郎の脚本によるものだけど。何だろう?お話が都合良すぎて、かつ、外連味(けれんみ)ありまくりな役柄 ...

戦後7年、焼け跡残る東京・横浜を舞台に、警視庁全面協力で作られた、ある意味警察啓蒙映画。極悪人を追う過程や指紋・モンタージュ写真作成など、こんな感じでやってます!を見せながら、物語としても結構緊迫感あって見応えあり。当時無名だった劇団員を多数出演させて、 ...

映画 「絞死刑」 予告編 ↑ 予告編、大島渚(当時36歳)みずから語る。首に荒縄巻いて。  実際にあった 小松川事件(1958) を題材に、犯人である在日朝鮮人への差別、冤罪の可能性、死刑制度の是非を鋭く突くブラックコメディ。当時たくさんの人が、死刑判決を ...

昭和37年2月4日公開の作品。この時代「誘拐」と言えば、と検索して確認。昭和を震撼させた 「吉展ちゃん誘拐殺人事件」 が起きたのは、ほぼ一年後の3月31日。その2年後に逮捕された犯人は、黒澤明「天国と地獄」(昭和38年3月1日公開)の予告編を見て犯行を計 ...

三船敏郎一閃、ジェリー藤尾の腕が斬り落とされ血しぶきが舞った瞬間、この時点で、少なくとも日本の映画の歴史が変わったと思う。(そのようなことは私が今更言うまでもなく、語られてきたことだと思いますが)そしてセルジオ・レオーネは作品をパクって(東宝が訴えて後日 ...

トニーを続けて観る。「大学の暴れん坊」 公開の翌年、というより4ヶ月後(この4ヶ月で3本完成させて)、60年3月20日公開の主演作品。事故で亡くなったのが61年2月21日なので、実はこの時点で、余命一年無いことになる。ストーリー映画.Com  ↑ 神保町シア ...

まるで若大将シリーズみたいなタイトルだけど、これはトニーもの。「トニー」とは赤木圭一郎の愛称で、当時人気だったトニー・カーチスに似ていたことからついたらしい。↓ 上:トニー・カーチス。ほう言われてみれば確かに。 下:シドニー・ポワチエ1958年映画パンフ ...

すでに紹介した 「あした晴れるか」 での石原裕二郎&芦川いづみコンビ作の翌年。同じ主演・監督・脚本で原作だけ違う。原作:石坂洋次郎は当時なんと80本あまりの原作が映画化された超ヒットメーカー。「あした晴れるか」に比べてこっちのほうが知られているし、作りも ...

唐人=外人。中国から武芸を伝えたり習ったり。ジミーウォングという香港の大スターが勝新太郎と競演。日本版と香港版それぞれあって、もちろん勝者も、それぞれ違うそうです。ちゃらい内容かと思いきや、なかなか楽しませてくれる映画でした。やはり座頭市としてのブランド ...

小津安二郎、初のカラー作品。画作りに関して、赤の発色にこだわりがあるのか?そこかしこに、赤のやかんなど赤い小道具を配していた。お話はゆったりとした、たぶん今の映画のリズムにはないような感覚で笑わせてくれる喜劇。小津映画とか言うと、ついかしこまって観てしま ...

残念。「怪談」と銘打つ以上、お化け屋敷に足を踏み入れるような感覚、音楽・効果音・驚かしの定番を盛り込まなければいけないという考え方は分かる。でも、「蛇女」である理由・必然性が観ていて無いと感じたので、物語として入って行けなかった。ああ〜またこんな書き方す ...

三國連太郎特集上映。  ↑ ラピュタ阿佐ヶ谷はチケットの写真も変えて細かいこだわりあって好き。  前作の翌年。といっても公開日でいくとわずか5ヶ月後の続編。推測でしかないが、プログラムを埋めるのに間に合わせで製作したのでは?というのも、正確に言うと続編じ ...

三國連太郎特集上映にて。彼が刑事で、部下に高倉健とくれば必見でしょ!  ストーリー映画.Com 昭和37年の東京。丹波哲郎演じる宝石強盗犯が刑務所から脱獄。かつて丹波を逮捕したが、宝石のありかや共犯者を聞き出せなかった三國連太郎と新米刑事の高倉健が必死の捜査 ...

市川雷蔵(1931〜1969)。37歳、肝臓がんで死去。生後間もなく歌舞伎役者の養子となるものの、子役を経験せず15歳で初舞台。いろいろなしきたりや出自関係などあり端役ばかりの日々。そこに当時イケイケの大映が「長谷川一夫に次ぐ大スター」と抜擢。いきなり主 ...

岡田茉莉子と佐田啓二でロードムービーと言えば、先にレビューした井伏鱒二原作の  「集金旅行」 があるのですが、たぶん絶対、その反響で翌年、同じような企画が組まれたと想像します。これも面白いです! だから必見・お薦めしたいんだけど、ソフト化されてません。VHS ...

深作欣二と言えば「仁義なき戦い」なんて安直に言えません。調べて見たらアクションからコメディから、ここでも紹介した 美輪(丸山)明宏 主演「黒蜥蜴」 みたいなアバンギャルドものから戦争ものから、チャンバラからSFまで。何でも出来ないとあかんかった時代を生きた監 ...

やっと劇場で観た。いや、正直に書こう。告白します。実はずっと抵抗があって、テレビ放映なんかもビデオでもきちんと観ないで避けていたこと。いわゆるベタなシリーズもので、しかもチャキチャキの江戸っ子芝居だろうって思い込んでいました。ストーリー「映画データベース ...

お世話になっている 神田・神保町シアター の開館10周年企画で、歴代累計入場者数ナンバーワンの映画がこれ。名匠・成瀬巳喜男監督作品っていっても、たぶん何も観たことがない「あかんたれ」の私。たった一日の記念上映会に勇んで出かけました。夜の最終上映、15分前 ...

私的・和泉雅子のイメージは、小太りな感じ。そして日本人初の北極点到達者、冒険家としての姿。が、こんなに可愛くてキラキラで、役柄的にはかなりぶっ飛んでてキレキレな姿(当時16歳)。タイトルバックからタバコくわえて酒に酔い、大人たちから好奇のまなざしを受け、 ...

増村保造 × 若尾文子 続けます。ずっと「きよさく」と読んでましたが「せいさく」でした。「清作の妻」。レビュー allcinema 若くして老人の妾として囲われ、老人の死後、莫大な遺産を貰い村に帰った若尾文子は、貧しい村人から村八分を受けます。しかし若尾文子はそんじょ ...

増村保造 × 若尾文子を続けます。前の 「刺青」 もしばらく前の劇場鑑賞で。そう言えばこれもと、衝撃を受けたことを思い出し。若尾文子出てますが、これは何と言っても「ジェリー藤尾」の映画。私的には子どもの頃、テレビで見る彼の姿になんだか「チャラい」印象を受け ...

彫師が若尾文子の情事を覗き見て、その女体の美しさ艶やかさに心奪われ、それはまさに女郎蜘蛛のしわざと言わんがためか?麻薬を嗅がせて眠らせている間に、彫る。  吐息を漏らし体をくねらせる若尾文子がたまらなく良い。彫師は彫り終えて脱力。一世一代の仕事を終えたか ...

「BBSの女」という原作がベースで、戦後すぐ発足したBBS(ビッグブラザース&シスターズ)という若者の更正・保護の組織だそうで、調べてみたら現在もありました。知らなかった。ストーリー映画.Com バス会社に勤める左幸子が、ボランティアでこれを始め、少年院から出たば ...

戦中派の監督・加藤泰と、同じく、そして元暴力団組長・安藤昇がタッグで作った三本の映画のうちの一本。戦中派とあえて書いたのは、この映画を観賞後調べていて、実は深い狙いがあることを感じたから。それは国家が執り行う戦争、その陰に潜む偽善、権力行使や富の独り占め ...

怪談として何度も映画化されるなか、多くの人がベストワンに推しているのがこれ。監督・中川信夫 伊右衛門役に、当時まだまだ売り出し中だった天知茂。お岩さんに、若杉嘉津子。2年後に倒産する新東宝の作品。ストーリー&エピソード Wikipedea  この伊右衛門という男、 ...

黒澤明「白痴」 の翌年、三船敏郎と原節子の共演再び。「白痴」で見せたような大芝居ではなく、とても肩の力が抜けたオシャレなコメディでとても面白かった。原節子が「白痴」より痩せて美しく見えるし、三船敏郎も渋く格好いい。 街の似顔絵屋さんの原節子が、ダイヤのイ ...

大映「ガメラ」シリーズ第二弾。一作目公開当時、大映社長の永田さんは「東宝のゴジラの向こうを張ってガメラなんて」とぼやいていたとも言われるが、映画は大ヒット。私も子ども時代、テレビで見て多いに楽しんでゴジラより好きだった記憶があります。何せこの VS バルゴン ...

こうゆうの観ると、ほんと映画館を出た後の歩き方が変わる。任侠に生きる鶴田浩二。 つべこべ言わない生き様。寡黙で、ひとり「スジ」を通して生きようとする姿。でも廻りがぐちゃぐちゃ、「スジ」なんて通さない奴らばっか。というより、それぞれの「スジ」を主張する連中 ...

昭和38年にこんな愉快で明るくてテンポの良い「ミュージカル」があったなんて。観賞後拍手!。そりゃ突っ込みどころ満載ですよ、でもどう書けば伝わるかな? 「物語」に真っすぐな感じ? 役者とスタッフ、エキストラも含めてスクリーンの中のエネルギーが伝わってくると ...

国立近代美術館フィルムセンターで開催された「監督・根岸吉太郎自選 日活ロマンポルノ」「国立」でポルノ。046「オリオンの殺意より 情事の方程式」047「女教師 汚れた放課後」048 「狂った果実」につづく第四弾 ストーリー「映画データベース all cinema」 生きるエネル ...

国立近代美術館フィルムセンターで開催された「監督・根岸吉太郎自選 日活ロマンポルノ」「国立」でポルノ。046「オリオンの殺意より 情事の方程式」047「女教師 汚れた放課後」に続く第3弾。他の映画でも書きましたが、青春の「悶々」は、主人公が「走る」シーンが多く長 ...

女教師 汚れた放課後 [DVD]国立近代美術館フィルムセンターで開催された「監督・根岸吉太郎自選 日活ロマンポルノ」「国立」でポルノ。「オリオンの殺意より 情事の方程式」 に続く第二弾。ストーリー「映画データベース all cinema」 田中陽三の脚本だけど、けったいな流 ...

国立近代美術館フィルムセンターで開催された「監督・根岸吉太郎自選 日活ロマンポルノ」「国立」でポルノという、何だか禁断な感じを味わいたくて。二日間通って4本鑑賞。〜その1〜「オリオンの殺意より 情事の方程式」 (1978) ちなみにこれが、根岸監督デビュー作 愛 ...

監督・工藤栄一による 「十三人の刺客」  につづく、集団抗争時代劇、第二弾!(あと1本「十一人の侍」あり)映画製作背景には、日米安保条約反対のデモや学生運動、反ベトナム戦争など、民衆の怒りや国家権力に対しての集団アンチテーゼがあるという。だから集団抗争モ ...

観ていて、若い田宮二郎の熱気・血気というか、はち切れんばかりのエネルギーを感じた。きっとスタアであること、主役を張るということへの相当なプライドがあったのだろう。調べてみると、生涯100本を超える出演作品中、年間に二ケタ以上の出演があったのは1962年  ...

新東宝・三話オムニバスという画期的?な作品。ストーリー Movie Walker ▶︎第一話「吝嗇」(りんしょくと書いて)けちんぼ。 監督・三輪彰 出演・天知茂 小畑絹子 星輝美  お金の講座を開くほど気障でケチな色男・天知茂が、小畑絹子演じる詐欺師にまんまとお金を巻 ...

このコラムを書くにあたって画像検索してて ↑ 見つけたポスター。「え!? 成人映画だったの!?」この3年後、藤竜也と結婚・引退することになる芦川いづみ熱演の快作。ストーリー Movie Walker  冒頭、友人の結婚披露宴に暗い表情で参加する芦川。わずか30歳なのに ...

昭和43年、大阪・国鉄天王寺駅から物語は始まります。大阪出身の私としてはその景色っぷりにわくわくで。大学時代(中退)頻繁に通った駅改札外側のスペック感に面影ありあり。その駅から急行列車に乗って向かう先は、和歌山・南紀白浜方面。車内は新婚旅行のカップルだら ...

2017年の今、なお語り継がれる夭折のスタア。赤木圭一郎。 ストーリー Movie Walker 赤木圭一郎 Wikipedea わずか21歳の若さで事故死。日活撮影所内、お昼休みにセールスマンがお薦めのゴーカートにひとり乗車。車好きで知られた彼が、よりによって操作を誤り、所 ...

↑ この映画、検索すると出るわ出るわレビューの嵐。これに限らず古典は、「ひとこと言いたい!」人が多いのは分かります。私がこのサイトを立ち上げた理由のひとつに、古い日本映画を観て、つべこべウンチクを語る前に、もっと気軽に語りたいなというものがあり。だからと ...

↑このページのトップヘ